21世紀は直流電気の時代。直流で発電して直流で使う。21世紀のデジタル化社会は直流電気で動いています。これまでの大規模集中型発電(AC:交流発電)から小規模分散型発電(DC:直流発電)へ時代は変わります

現代のデジタル生活に欠かせないモノすべて直流電気で動いています

直流倶楽部とは(設立趣意書)

電気の「交流」と「直流」の話

もともと、電気といえば「直流」のことでした。「直流」とは一定の電圧で同じ方向に流れる電気のことです。
1799年、ボルタが電池を発見して、「直流電気」の歴史が始まりました。
1832年、フランスのピクシーが、「手回し直流発電機」を発明しました。
1879年、かのエジソンが「白熱電球」を発明しました。(実際に白熱電球を発明したのは、J.Wスワンという人です。)
もちろん、「直流」の電気で明かりを燈したのです。

エジソンは、一般家庭にランプを燈すために、ニューヨークで電線を引いて電気を供給する事業を開始しました。もちろん「直流」で、です。 当時は110Vの電圧が使われていました。これは使われるランプの電圧に合わせたのでした。 しかし、この「直流」は損失が大きいため、少しの距離しか電気を送ることができませんでした。

1881年、英国のシーメンスが水車で駆動する交流発電機で発電した交流電気で街灯を燈す事に成功しました。電燈は直流でも交流でも点灯できたのです。 「交流」とは常に電圧が変化して、流れる方向が変わる電気のことです。

1882年、エジソンの弟子のニコラ.テスラが「交流」電動機と「交流」送電方法を発明しました。「交流」は、高い電圧で電気を送り、使用場所で変圧器により電圧を使用したい電圧まで落として使用することが簡単にでき、効率よく電気の輸送ができる利点がありました。高い電圧で電気を流すと電流が小さくてすみ、電圧降下が少なく、電線も細くすることができ、電気の損失や送電のコストも小さくできたため、遠くに電気を送るのに適していました。

エジソンは、「直流」方式を主張し、テスラの「交流」方式と争いました。 高い電圧が危険であると主張するエジソンに対し、交流送電の利点を挙げた テスラは激しく争いました。 しかし、電動機の使用によって電力利用が増え、「直流」方式では、電線を太くしたり、発電所を電気の使用場所の近くに作らなければならなかったエジソンの「直流」方式は敗れ、テスラの「交流」方式が一般に広く使用されるようになりました。

1896年、ナイアガラの滝の水力発電所の5000馬力2台の水力発電機から 電圧11000Vの交流による電気が送電され、発電所から32km離れたバッファローの町に電気が送られました。 これが、電気を遠くまで送る「交流」方式の始まりでした。 「交流」送電方式による電力の利用が拡大し、交流の電動機が実用になると、電気が電燈だけでなく、動力源に使用されるようになり、水力や石炭、石油を使用した巨大な発電所が作られ、長い距離を送電線で需要地まで運ぶ「交流」の現在の形ができあがりました。

ヨーロッパ、アメリカ、日本などの工業先進国は、19世紀、20世紀にかけて、人口も増え、工業が発展し、電気の使用量は急激に増えていきました。 それに伴い、自然を破壊して作られた巨大なダム式水力発電所、温暖化ガスを多量に排出する石炭や石油などの化石燃料を燃やして発電する火力発電所、さらには原子力発電所が、どんどん出来てゆき、より遠方からより多くの電気を多くの人々の集まる都会を始め、地方の隅々にまで送られるようになりました。 これによって、私たちはいつでも、どこでも、いくらでも電気を利用することができるようになりました。

直流倶楽部からの提案-その1

21世紀に入った現在、私たちは自然破壊、地球温暖化などの地球環境問題に直面しています。持続可能な世界を創るために化石燃料に頼らないエネルギーを手に入れる必要があります。その中で太陽光発電や風力発電等の自然エネルギー利用が有力な手段となってきています。これらは、再生不可能で大規模集中型の今までの方式とは異なる、再生可能な小規模分散型の新しいエネルギーの取得方式です。

現在、世界では今だに電気の送電線につながることができない人々が24億人 いると言われています。私たちが活動しているモンゴルでは、国民の半数を占める遊牧民のほんの一部が、小さな太陽光発電パネルやマイクロ風力発電を使ってわずかな電気を得ているにすぎません。これらの大半の電気を持たない人々を今から送電線につなげるということは非常に不経済、不合理なことです。これらの人々は、送電線につなぐ事など考えず、はじめから、21世紀型の小規模分散型の新しいエネルギー取得方式によって電気を得るのがいいのだと思います。

モンゴルの遊牧民は言います、「昨日は天気が良かったからたくさん発電できて、電球を3時間つけることができたけれど、今日は天気が悪いので電球を1時間しかつけることができなかった、でも暗くなったら寝ればいいのさ。」つまり、彼らにとって電気とは、"バッテリーに蓄えられている分しか使えない有限で、あるだけしか使えない物"なのです。

それでは、我々すでに送電線につながっている者はどうすればいいんでしょう。 我々は、電気はコンセントにプラグを差込みさえすれば、いつでも、いくらでも使えると思っています。つまり、我々にとって電気とは"いつでも、使いたいだけ使える無限のもの"なのです。でもそれは大きな勘違いなのです。電気は有限です。

直流倶楽部は、"電気は使いたいだけ使う"という考え方から、 "電気はあるだけしか使えない"という発想の転換を提案します。ですから、直流倶楽部のテレビセットは最大4時間しか見ることができません。しかも晴れた日に。雨が続けば発電できません。電気がなくなってテレビが消えたら、本でも読んですごしましょう。電気がなくなって、照明が消えたら寝てしまいましょう。

我々もできる限り政府や電力会社などの権力から独立し、小規模分散型のエネルギー自給に向かう方がいいと思います。太陽光や風力などの自然循環型の再生可能エネルギー源を利用して、できるだけ自分の使う分は自分で造ることを考えていかなければならないと思います。 しかし、一度にすべてを自給するには、お金もかかるし、勇気もいります。 ならば、できるところから、楽しみながら少しずつやってみてはどうでしょう。

直流倶楽部からの提案-その2

21世紀はデジタルの時代とも言われています。パソコンやテレビ、携帯電話を筆頭に今、実は「直流」で動いているものがどんどん私たちの周りに増えています。でも私たちは「交流」の中で生きていますから、「交流」をわざわざ「直流」に変換(AC―DCアダプター)してそれらの機器を使っているのです。

一方、太陽光発電やマイクロ風力発電は実は「直流」で発電しています。でも周りの電気製品が「交流」なのでわざわざパワーコンディショナーという装置をつけてエネルギーロスをして「直流」を「交流」に変換して電気を使っているのです。 なんだか、おかしなことをやっていると思いませんか。

直流倶楽部は、<直流>で発電して、<直流>で使おうと考えます。 そのほうが、自然だし効率的だからです。そのために、「直流」で使えるテレビや照明、冷蔵庫、扇風機、パソコン等の電気製品を提供します。もちろん、発電するための太陽光パネルや風力発電、バッテリーなどの自然エネルギーを使った「直流」独立電源システムも提供します。バッテリーもできるだけ多く電気を貯められるように、少し多めに持ちましょう。今まで、電気を貯めることにコストがかかっていましたが、それは、バッテリーが4年から6年ほどでだめになってしまうからです。自動車用の安いバッテリーを使ってだめになっても、使い捨てではなく、リフレッシュして再利用し、少なくとも10年は使えるようにできる技術を私たちは開発しました。 今、問題になっている、電磁波過敏症の方も、DC12Vの「直流」なら全く電磁波の影響から逃れることが可能です。

世界の未電化地域だけでなく、この日本でも、できるところから「直流生活」をしてみてはどうでしょうか。 21世紀は再生可能型で小規模分散型エネルギーの時代です。 「直流倶楽部」でみんな一緒に楽しみながら、まずできるところからやっていきませんか。

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